染色作家の本郷大田子先生主宰の私塾に集う一流着物作家の
方々のグループ『杜若会』のみなさんとジョイント展をさせて
いただきました。企画を本郷先生のご長男の本郷公崇さんが担
当されました。

 2002年は『きものとお花 詩合戦。』と題され、京都下
鴨の旧冷泉家宅の“葵邸”が会場でした。
 かつて、川端康成が「古都」を執筆した場所で、現在は結婚
式場などに利用されており、普段一般には公開されていないよ
うです。下鴨神社の東、閑静な住宅街にひっそりと佇む“葵邸”
は、隠れ家的な雰囲気に満ち溢れていました。
 邸内の庭には小さな滝と川が流れ、歴史ある旧家の雰囲気に
プラスして、開放的な三方がガラス張りの離れなど、秋のひと
ときを過ごすのにピッタリのゆったりとした時間が流れる贅沢
な空間でした。

 2003年は、京都御所にほど近い、室町通にある町屋が会
場でした。
 普段、イベントスペースとして使用されており、今回は和室
の空間のみを使用しましたが、昔の家によくある、洋館テース
トの建物が併設されており、喫茶室となっていました。レトロ
な雰囲気が珈琲の味を引き立ててました。
 『いろとやすらぎの世界』と題され、町屋の和の空間におい
て、お客様に五感でさまざまなものを感じていただこうという
企画で、着物作品、いけばな作品を見て、三絃を聞いて、お香
の香りを感じて、手打ち蕎麦を味わっていただくというもので
した。
 会場では、目、口、耳、鼻、そして心で初秋の心地よさを感
じていただき、のんびりと腰をおろして、緩やかに流れる時間
を楽しんでいただきました。

 2002年の葵邸が縁で、西陣の帯処岡慶さんからご依頼い
ただき、新店舗のオープニングとして2003年の冬、『きも
のとお花 詩合戦。』のパート2に再び西陣に場所を移して参
加させていただきました。

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